五月連休明けの奄美大島は、すでに夏の陽光だった。
朝早く羽田を発ったので、みんな睡眠不足。
だけど、奄美空港に着陸直前にきれいなサンゴ礁が見えてきて、もりもりと元気一杯に。
奄美は光と影が濃い。柊田(ふきだ)さんのご自宅近くの喜瀬干潟を訪ねる道々には、美しい花が咲き乱れていた。
さて、撮影。
日陰ゼロ、反射光の眩しい干潟で、トンボを使って貝を探す柊田さんを執拗に追いかける是永クンの姿がプロフェッショナルです。
同じくトンボを引いていた柊田さんの長男・圭一郎さんが何かを発見。干潟を手と指で掘っていく、と──。
な、何だ、何だ?
ゴキブリみたいだけれど、尻尾のあるヘンなものを掴みだした。
「ミドリシャミセンガイです」と圭一郎さんが教えてくれた。名前は貝だが、腕足動物門という貝類(軟体動物門)とは別の仲間だそうだ。食べると、とても美味しいらしい。たしかにシャコだって、オコゼだって見かけは「ちょっとね…」という感じだけれど、そういう奴に限って美味しい。人間だって初対面ではなかなかその人のことがわからない。動物も人間も同じだ。
柊田さんの奥様・洋子さんが見つけたのは、タカラガイ。
こんどは柊田さんがカワラガイを見つけ、
続いて、タイラギも。
柊田ファミリーの三人は「昔はあっという間にバケツ一杯採れたけどねえ」と言うが、そうは言っても、短時間でこれだけの貝を見つけられるのはすごい。やっぱり、この干潟は貝の宝庫なんだなあ。(あるいは、ぼくらはそれだけ貧しい海しか知らないということだろう……)
テナガエビも
柊田さんの玄関横には採ってきた貝がきれいに磨かれて並べられていた。
「喜瀬の人たちは観賞用にも貝を採っているんですよ」と洋子さんが言う。
座敷に上がって干潟で採ったカワラガイを食べさせていただく。湯がいて、朱色に見えるのがメスだそうだ。塩気があってコリコリ。いま採ったばかりなので、砂を噛んでいるけれど、味は深みがあって甘い。
「奄美の喜瀬に来んと、このカワラガイは食べれんよー」と柊田さんが言う。
マガキガイ(チャンバラ貝)もたくさん湯がいてくださった。
これまた、止まらなくなるほど美味しい。
「貝には、やっぱり、これだね」
座敷の上座には黒糖焼酎の甕がどんと据えられていた。
「宴会になると、歌と踊りさ。三線と太鼓が欠かせないよ」
こんどは、ぜひ宴会にお邪魔したいなあ。
「奄美大島・潮干狩り」
第11回ロケ 2010年5月