三宅島に行く直前、夏風邪を引いて、微熱状態で船に乗り込んだ。夜10時半、竹芝桟橋から出港。船室は、征夫さん、たまきさん、是永クン全員一緒の2段ベッド4人部屋。なんだか修学旅行のよう。窓際の向かい合わせの椅子にみんなで座って、お茶を飲みながらレインボーブリッジの下をくぐる。東京湾の灯りを見ながら南下するうち、うつらうつら。やがて、それぞれ自分のベッドへ。
熱のせいもあって、あっという間に眠りに入った。と思ったら、次の瞬間もう三宅島に着いていた。
朝5時の空のいろが美しい。子どもの頃の夏休みを思い出す。
ラジオ体操だけは嫌だったなあ。
浅沼さんの泳力はすごい。フツーの人なら絶対泳げない波を平気な顔でグイグイ進んでいく。
しかもフィンもつけず、カットオフジーンズを穿いただけ。脚は平泳ぎの形。この泳法で長距離を泳ぎ、潜るのだ。きっと昔の日本人の脚さばきはみんな蛙脚だっただろう。
最初のポイントは波がきつすぎて、魚がなかなか捕まらなかったので、2番目のポイントに移動。そこは港の中なので、波もなく撮影もしやすい。海に入った浅沼さんの代わりに、船を移動するために、征夫さんが舵をとった。
撮影を終えたが、昼には遅く、夕方には早い中途半端な時間。昼食をとれる所がない。よって、民宿の方が作られた三宅島産胡瓜をランチにすることにした。
取材撮影をしていると、こういう食事はしばしばあるのです。でも、新鮮で健康な胡瓜は、歯応えがあって、ジューシーで美味しかったなあ。
亜熱帯植物の繁茂する民宿の玄関写真
翌朝、島を一周しながら、風景を撮影。
風向きによっては、二酸化硫黄のガスの匂いも微かにする。だから、こんな看板が島にはたくさん立っている。
竹芝桟橋で売っていたガスマスクを着用する征夫さん。
なぜか写真の撮りっこをしている師弟
お花畑の中で撮影する征夫さん
メガネ岩を撮影する是永クン。
切り立った断崖が海食のためにメガネのような穴が開いたので、メガネ岩と呼ばれているそうだが、地震のために片方が崩れてしまった。
メガネ岩の間から見える沖合の岩礁は、大野原島(通称・三本嶽)。国の天然記念物で絶滅を危惧されているカンムリウミスズメが生息している。
昼過ぎの船で東京に戻ることになったが、また昼食のタイミングを逸してしまったので、たまきさんが食べ物を調達に走ってくれた。
港の待合い室の長椅子に、レーズンパン、揚げあんパン、マカロニサラダを置いて、さあ、食事。超空腹状態なので、めっちゃ美味しかった!
人の置き釣り状態になってしまった是永クン
帰りの船は天候にも恵まれ、順風満帆。快適な船旅。デッキの上では師弟が潮風に吹かれながら、またも謎の写真を撮っている──。
ああ、今回も、良い旅でした。
「三宅島・置き釣り漁」
第14回ロケ 2010年7月