初めての奄美。
深くて黒い森や透きとおった海はもちろん最大の魅力なのですが──じつは、興味があったのは食べものでした。本場の鶏飯(けいはん)が食べたかったのです。
沖縄には菜飯(せーふぁん)という美味しい野菜系お茶漬けがあります。
ウチナーンチュ(沖縄人)の友だちから「奄美の鶏飯は菜飯の鶏版さね。食べてみたら、きっと好きなはず」と言われていました。
というわけで、空港から、まず向かったのは、その鶏飯を食べさせてくれるお店。
席に座るだけで、期待に胸がふくらみます。
錦糸卵(きんしたまご)、細かく割かれた蒸した鶏肉、甘辛く煮た干し椎茸、紅ショウガ、パパイヤの漬け物、海苔、小口切りにしたネギ、みじん切りにしたタンカンの皮などが、大皿にどーんと盛られてやってきました。
次いで、炊きたての白いご飯。大きな器に入った熱々のスープ。
奄美ダイブサービスの竹山昌治さんが食べ方を教えてくれました。
まず、ご飯をよそって、その上に好きな具を好きなだけ載せ、スープをかけて出来上がり。
なるほど、なるほど。沖縄の菜飯とまったく同じ食べ方です。
ⓒNobuhiko Yoshimura
言われた通り、鶏飯をつくり、さっそく、スープを啜ります。
「んめー」向かいに座ったカメラの是永さんが呻きます。酒と醤油で味を調えられた鶏スープはとても滋味深いです。錦糸卵が優しく、鶏肉からじんわり滲むエキスが身体をほんわか守ってくれるよう。薬味のタンカンは、少量なのに、上品な南国を上手く演出しています。
チーム全員、黙々と鶏飯三昧。想像以上の美味しさに、ぼくは思わず3杯お代わりしました。(是永さんは6杯お代わり!)
奄美大島や鹿児島では給食のメニューとしても鶏飯は定番なのだそうです。
沖縄の菜飯は、琉球宮廷料理のメニューでした。宴でお酒を飲んだ後にぴったりの大人の食べものです。それに比べて、鶏飯は、老若男女誰からも好かれる、よりポップな料理なのかもしれません。
自然の中を歩き回ったり、泳いだりするのは面倒だという方も、この鶏飯を食べるためだけにでも、奄美に来る価値ありです。(あと、黒糖焼酎も……)
吉村喜彦
これから撮影です!天気も最高!征夫さんも思わずピース・サインです。
ⓒNobuhiko Yoshimura
なんと、海パンを忘れてしまったムービーの是永さん。
水の中は・・・大丈夫、ちゃんと履いてます。
ⓒNobuhiko Yoshimura
魚が待網にかかるをところを水中で撮影していた征夫さんとたまきさんが、
魚とともに捕獲されてしまいました!!
今日一番の大物だ!とオジイたちも大笑いです。
ⓒNobuhiko Yoshimura
待網漁で獲れたガラ(カスミアジ)。
「唐揚げにして、醤油と酢をつけて食べるのが一番うまい」と、
料理人のオジイが教えてくれました。
予想以上のおいしさにびっくり!
ⓒNobuhiko Yoshimura
宇検村名産、黒糖焼酎「れんと」。
交響曲を3ヶ月聴かせて成熟させる「音響成熟」という製法でつくられています。
豊かな香りとまろやかな飲み口で、ガラの唐揚げとの相性もばっちりです。
ⓒNobuhiko Yoshimura