五月さんのお祖父ちゃんの庭で、ハマグリを網に載せて焼きました。
そのシーンを撮影チーム一同が取り囲み、押し黙ってカメラを回し、シャッターを切ります。(同録をしているからです)
まさにハマグリが主役になる時間――。
ハマグリにライトを当てているのは、大阪から駆けつけて来てくださったカメラの赤木さん。浜でも結構な量のハマグリを拾っていました。
録音マイクのついたムービーカメラを回しているのが、酒豪への道をひた走る是永さん。
と、いきなり、ハマグリがパカッと開いて、熱い汁が飛んで是永さんの顔と腕にかかりましたが、さすがプロフェッショナル、「あちっ」という顔はしても、一切声をあげません。
ムービーカメラの是永さんがハマグリの口が開く瞬間を待ち構えています。
この後、ハマグリの口が開き、熱い汁が是永さんに・・・。
ⓒTamaki Ozaki
ムービーの後は征夫さんが急いでスチール撮影。
背中を向けて、ハマグリにライトを当てているのが大阪から駆けつけてくれた赤木さん。
ⓒTamaki Ozaki
甲浦のハマグリは、ちゃんと同定したわけではないのですが、どうもチョウセンハマグリが主体で、絶滅の危機に瀕している(ヤマト)ハマグリも少しいるようです。
チョウセンハマグリは、名前にはチョウセンとついていますが、日本固有種で外洋性のハマグリです。
千葉・外房などで採れるのはチョウセンハマグリ。(ヤマト)ハマグリは、桑名や有明海などの波の静かな内湾でとれるハマグリです。
ハマグリ採りの帰りみち、五月さんのお祖母ちゃんが、岩牡蠣を採ってくれました。
素人目には貝殻がこびりついた岩にしか思えなかった所から、お祖母ちゃんが「はい。これ」と言って手渡してくれたのが、岩牡蠣。
「これ、食べて、大丈夫ですか?」
汚れた海で暮らすぼくは、思わず失礼な言葉を口走ったのですが、お祖母ちゃんは黙って、頷いてくれました。
口に入れると、甘くとろけそうで、草のような磯の香りが広がりました。
浜で普通に牡蠣が食べられる――すごい所です。
吉村喜彦
ぼくの目には貝殻がこびりついた岩にしか思えないのですが・・・
ⓒNobuhiko Yoshimura
岩牡蠣を採ってくれた五月さんのお祖母ちゃん。
ⓒNobuhiko Yoshimura
お祖母ちゃんの手の中にあるのが岩牡蠣の身。このあと、ぼくの口の中へ・・・。
ⓒNobuhiko Yoshimura