奄美取材といえば、この人──奄美ダイブサービスの竹山昌二さん。
漁師さんとのコンタクト、スケジュール調整や器材の手配などなど、スタッフはたいへんお世話になっている。明るくパワフル、そして繊細な心遣い。奄美取材で竹山さんと会えるのは、ぼくらの楽しみの一つなのだ。
竹山さんはこのプロジェクトのことをずーっと「日本列島知恵袋」と覚えていたらしく、たしかに「プロジェクト」と「ぶくろ」の音は似てるかも……と一同大笑いしながらも、納得したものである。
さて、今回の撮影場所は二箇所。
最初に撮影したのは、魚の餌となる藻を採る土盛(ともり)海岸。太平洋の波がダイレクトに押し寄せるリーフの先端。干潮のときでも、たまに大波がドドーンとやってくるので十分注意しなければならない。
ムービーとスティルのカメラ競演。
空と海に向かって、何を思うか、竹山さん。
波に濡れながら撮影するたまきさん。
夏の奄美には軽トラックがよく似合う。
箕輪さんの軽トラックに乗せてもらって、次の土浜(つちはま)海岸に移動。
荷台の上でテル(竹製の籠)を背負って「気分は漁師」の征夫さん。
いよいよ藻引き漁開始なのだが、ポイントに行くまで、サンゴ礁の岩場を全員で行軍。深くて大きな潮だまりがあって迂回したり、ゴツゴツしているくせに滑りやすくて、とても歩きにくいのだ。
透明な潮だまりにはハリセンボンの子どもがのんびり泳ぎ、クモヒトデがゆらゆら歩く。潮の満ちてくるサワサワという音と海からの風が心地いい。
箕輪さんが立っているのは、リーフの先端の断崖。水があるので、崖っぷちにいるとは思えない。この断崖に腰掛けて、藻引きをする。征夫さんもたまきさんもシュノーケルとウエットスーツ姿で岩場に座ってカメラを構える。
撮影後、征夫さんが藻引き漁に挑戦。なんと立て続けに2匹釣り上げてしまった。
それを見ていたたまきさんも挑戦したのだったが……。
やっぱり、さっきのテルを背負った時から気合が違うのだろうか。
高知・甲浦でまったくハマグリの採れなかった「邪悪な」B型コンビ。
今回もどうせ釣れないだろうと藻引きには挑戦せず。是永クンとぼく。
ところで、奄美取材の楽しみは、鶏飯(けいはん)と黒糖焼酎。今回は奄美酒造の蒸留所が近くにあったので、訪ねてみた。
黒糖焼酎はその名の通り、黒糖が主原料。しかも、この蒸留所では奄美産黒糖を使っている。沖縄の泡盛の製法が伝わって、この焼酎が生まれた。
甘い香りのやさしい味わい、深いコクは、奄美の風土を映しているかのようだ。
奄美産黒糖。
蒸留器。
黒糖焼酎のボトル。
工場の前には巨大ボトル型ディスプレイが。
そして、夜の打ち上げでは、黒糖焼酎と竹山さんのお陰でこんな顔になってしまうのである。
黒糖焼酎と是永クン。
鶏飯と是永クン。
「奄美大島・藻引き漁」
第12回ロケ 2010年5月