10の知恵 その1 和紙のカーペット、油団(ゆとん)

井戸 理恵子 さん (東京都・40代女性・研究者、大学講師)

福井県に伝わる夏の風物詩、「油団(ゆとん)」。和紙を何層にも一度熱して冷ましたエゴマ油で貼り合わせて作る「和紙のカーペット」。熱の伝導率が高く、湿気を調整し、カラダの熱も取ってくれるため、このカーペットの上にいるだけですこぶる涼しい。畳や普通のカーペットより表面温度も3~4℃低い。子供は油団の上に転がっていると風邪を引くとさえ云われた。蒸し暑い北陸の夏には欠かせない品物である。また、この品物は出来た時よりも手間をかけて、磨くことによってより美しさも機能も増す。春夏秋冬を建具や敷物を替えることによって楽しむ福井のよき風習のひとつである。現在、知りあいの表具店のみでこの油団は製造、修復されている。「あ、油団を叩く音がトントンきこえる・・・そろそろ今年も暑くなるなあ」とご近所の人たちが口々に語るようにかつては油団を作る音、修復する音とともに「越前の夏は始まるもの」だった、と。

10の知恵 その2 実りへの感謝

金子 弥生 さん (愛知県・20代女性・アルバイト)

実際的な知恵ではないのですが・・・。 「たくさん実った果実を収穫する時、一番高いところの実を残しておく」ことです。 神様に奉げる、お返しするという心です。 もちろん鳥が食べてしまうのですが、 例え"自分の"家や敷地の中の木であっても、己が所有物だと思わぬよう戒める、 ということでしょうか。 それとももっと穏やかに、この習慣によって、実りへの感謝と、 自分が生きる土地と季節と神様とに繋がっていることを忘れない為でしょうか。 「もったいない」と言って、地上の生き物をヒトが全て食べ尽くすのが正しいわけではありません。 今年も柿・無花果が楽しみ!!

10の知恵 その3 みかんの皮の効用

瀧田 忍 さん (群馬県・30代女性・地方公務員)

なんと、お米を超える自給率で、99%が国産と言う「みかん」。 この皮には数多くの古くからの知恵が秘められています。 ①ナスの根にしきつめて立ち枯れを防ぐ。 ②白菜に漬ける時に一緒に入れると酸っぱくならない。 ③いぶすと消臭になる。 ④煮汁で畳を拭くとぴかぴか。 ⑤風呂に入れると温まる。 ⑥洗濯機に入れると衣類のシミ抜きになる。 ⑦機械油や油性マジックを落とす。 ⑧タンスに入れれば防虫剤に!  お試しください。

10の知恵 その4 酢でしなやかな髪に

小西 洋子 さん (秋田県・50代女性・主婦)

酢はいろいろな底力がある。脂っぽい髪は食酢でリンスすると髪をしなやかにし乾きも早く助かってます。シャンプーの後のすすぎ湯に食酢を杯に1杯くらいいれて洗うと髪がしなやかにソフトになる。

10の知恵 その5 酢の力

小西 洋子 さん (秋田県・50代女性・主婦)

子供の頃、料理やいろいろなものに酢を使っていた母に酢の効果を教えてもらった。酢には酢酸という酸が含まれていて、ばい菌は酢酸にふれると30分以内に死んでしまうという。まな板に酢をつけてしばらくおき、水で流すと黒ずみや臭いがきれいにおちた。花瓶の中に酢をいれておくと、ばい菌の発生がおさえられて花の茎が腐らず長持ちする。魚を酢漬けにすると腐りにくくなる。いたみかけたイチゴも酢につけるとひきしまって新鮮さが少しもどる。カリフラワーを酢水でゆでると真っ白になる。レンコンやごぼうも酢水につけると白くなるので料理の見た目もいい。酢水でうがいをすると酢の殺菌力のおかげでいやなにおいがとれてさっぱりする。

10の知恵 その6 めばちこに椿の葉

小畑 菊子 さん (和歌山県・40代女性・主婦)

私は子供のころ、よく、めばちこ(ものもらい)になりました。祖母から教えてもらった治療法は、椿の葉(年中緑の葉がついてます)を数枚とってきて、一枚ずつストーブなどで温めて、まぶたに当てるというものでした。葉の成分がいいのか、目を温めるのがいいのか、これをすると気持ちよく、次の日には腫れ物が小さくなっていました。今は専用の目薬もありますが、昔ながらの手当てもほっとしていいものでした。大学一回生のときに寮で「めばちこ談義」になりましたが、椿の葉のことは誰も知りませんでした。もしかしたら我が家だけの秘法なのかもしれません。

10の知恵 その7 海水浴でアトピーが改善

伊達 文 さん (東京都・20代女性・図書館員)

アトピーになって苦しんでいた時、アトピーには海水浴がいいという話を自然療法の本で読んだ。はじめは半信半疑だったが、おそるおそる行ってみた。そうしたら、確かに入った瞬間はしみるのだけど、あがってから数時間後の皮膚のつるつるしていること!以来毎年海に行くように。しかも今年はシャワーを浴びずに帰ったら、ますますつるり。海水のパワーに驚いた。ご先祖さんたちが蓄積してくれた知恵に、感謝しています。

10の知恵 その8 十円玉を入れた大切な水

山口 美貴 さん (栃木県・20代女性・主婦)

私の祖母の知恵です。 祖母は畑を作るのが昔から好きで、趣味というか片手間というか毎日作物を愛おしそうに惜しみなく愛情を注いでいました。 祖母はいつも収穫から帰るとバケツに十円玉を数枚入れ、水を張っていました。水を捨てると叱られ、『大切な水なんだ』と話ました。 その水を翌日作物へ与え、収穫した野菜はその御水で洗っていました。銅はあまり体に良くないのでは??と私は考えておりましたが、最近になって、銅に除虫殺菌の作用があることを知りました。祖母は苦労をした為、学校には通えていないと話します。幼い頃より兄弟を世話してきました。私たちのことも大切に思っていたのだと思います。十円玉の銅にその作用があることを祖母はずっと知っていたのでしょう。科学的根拠の乏しい時代からの祖母に伝えられた大切な大切な知恵です。

10の知恵 その9 祖母とハッカ水

増田 千香子 さん (北海道・50代女性・パート社員)

私が幼い頃よく行った祖母の家はいつもきちんと片付いており、良い匂いがしました。 祖母の傍には小瓶があり、「ハッカというのよ。良い匂いでしょう」祖母はそう言いました。祖母は毎日の掃除に、水に数滴垂らして、またトイレ掃除には焼酎に垂らしたものを使っていました。 花火大会や遠足の時は「虫除けになるから」と言って、その小瓶から私の襟元や足元にチョイと付けてくれました。結婚して子供が生まれて、安全で確かなものをと探す内に祖母の言葉を想い出しました。今は、ペパーミントと名を変えた「ハッカ」を早速使ってみました。焼酎に数滴垂らして、スプレイ容器に入れてシュッ!と一吹きすると部屋の空気が綺麗になった気がします。トイレでは二度ぶきが要らず、とても便利で、除菌・消臭効果もあるようです。子供には虫除けスプレーとしても大活躍でした。また、夏の夜、網戸をしめる時に虫が入り、殺虫剤を毎晩使っていたのですが、 ハッカ水(焼酎)に変えてから人にもペットにもとても優しく気に入っています。夏が来る度に、綺麗好きで優しかった祖母のことを思い出します。

10の知恵 その10 蚊に刺されたら、バッテン

K.Y さん (三重県・30代女性・自営手伝い)

現代に伝わる暮らしの知恵?・・・といわれて、頭に思い浮かんだのは、共働きの両親に代わり色々なことを教えてくれた今は亡き祖母との思い出です。 たくさんのことを教えてもらいましたが、子育て真っ最中の私が実践していることは、「蚊に刺されたら、バッテン」です。子供は屋外で蚊に刺されることが多いのですが、痒いあまり掻きむしってしまって、治りにくくなったり血が出てしまうことがあります。「蚊に刺されたよ~」と子どもが訴えてきたら、祖母の教えてくれたおまじない「バッテン」の登場です。指されたところの中心に「バッテン」の中心が来るようにして、爪で「バッテン」をします。すると、不思議なことにかゆみも和らぎ、子どもも安心して落ち着くのです。 かゆみ止めの市販の薬も出回っていますが、肌の弱い子どもには逆効果だったり、いつも持ち歩くわけにも行きませんので、こうして愛情をこめて「バッテン」をしてあげます。 幼き日の私を膝に抱いてよく「バッテン」をしてくれた祖母もこんな気持ちだったのかなと、ふと懐かしくもあり、切なくもありますが、「バッテン」を受け継いでくれたらな、なんて思います。

(順不同)

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